授業レポート

若葉
若葉

起農みらい塾レポート No.05
「第5回 販売現場訪問授業」
JA直売所『とれたて元気市』でお店調査と販売企画の学習!

日時:2022年9月4日(日)10:00~16:00
会場:〈店舗売場〉とれたて元気市 広島店、2階大会議室 とまと・わけぎ

「第5回 販売現場訪問授業」JA直売所『とれたて元気市』でお店調査と販売企画の学習!

子どもたちが10月に商品を販売する場所、広島市内の直売所JA交流ひろば『とれたて元気市』に訪問しての授業です。昨年リニューアルした新しい店舗の2階に上がると会議室や事務所があり、ルームプレートには何やら果物や野菜のイラストが!?「いちご」、「くわい」、ユニークな仕様に気づいた子どもたちとRCCアナウンサーの唐澤恋花さんは笑顔で今日の教室「とまと」の部屋に入っていきました。

店内レイアウトや商品・売場のこと、お客さんのこと、
実際に見て感じて学ぶ「お店調査」。

「第5回 販売現場訪問授業」JA直売所『とれたて元気市』でお店調査と販売企画の学習!

「お店の調査をして売り方を考えましょう!どんなものを、どこで、いくらで、どのように売るのか。どうすれば儲かるのかを忘れないようにね」。大野先生はいつものように元気な声で、今日1日の学びの目標を伝えました。

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さっそく、お店調査のスタートです。店内に入り、ガイド役のJA全農ひろしまの職員から商品の種類や全体レイアウト、売場の説明を受けながら自分の目で見て確認したことや感じたことをメモしていきました。玄米、野菜、果物、花き、加工品などの売場を回り、立ち止まったのが「3-Rブランド」コーナー。3-Rは家畜の排せつ物を堆肥化し、農作物や飼料用作物を栽培するための肥料として「再利用(RECYCLING)」する「資源(RESOURCE)循環型農業」を「繰り返す(REPEAT)」、その頭文字から名づけられています。「3-Rブランド」の卵・米・野菜が陳列され、売場モニターの映像には、第3回の授業でお世話になったトマト農家の箱崎さんが登場してPR。もちろん、武内さんの農場のミニトマトも並んでいました。売場には手作り感のあるプライスカードやPOPなど様々な宣伝ツールがあることを知り、「みんなが販売するときも、POP作りにチャレンジしてみるといいよ」と職員からアドバイスを受けました。卵コーナーでは、卵といっしょに卵かけご飯用の醤油も陳列され、売り方の工夫に気づかされました。次に冷凍商品コーナーに移動し、子どもたちはすぐに「ライスバーガー」や「お米アイス」を見つけていました。県内産にこだわった惣菜を販売する「みのりみのるキッチン」、県内産の果物を中心に使ったジュース、クレープを提供する「みのりカフェ」、「イートインコーナー」などもチェックしました。
店内を一周した後、子どもたちが商品を販売する場所を確認。店先のテント下イベントスペースで、出入口に近いところです。お客さんにしっかりPRすることが大事です。
お店調査が終わって教室に戻り、子どもたちは見学で感じたことを発表しました。「新鮮ですぐ提供してくれる、精米や精肉コーナーがいいなと思った」、「広島ならではの惣菜が多かった」、「農家さんが出荷のために野菜を運んでいた」など通常のスーパーとは違う産直市の特徴に気づいたようです。

安全・安心を提供する売り方の工夫をきっかけに、
“商売”の切り口で、子どもたちからの質問が次々と。

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お店のことをもっと知ってもらうために、『とれたて元気市』の運営管理や加工品開発に携わる、JA全農ひろしまの山里氏の話が始まりました。お店の人が仕入れて販売するスーパーに対して、産直市は農家さん自身が作ったものを売場に運んで自分で値段をつけて販売する仕組みで、基本的に広島県産のものを中心に販売する違いがあります。とれたて元気市の2021年度の年間売上は約11億6千万円、想像をはるかに超える金額に子どもたちはびっくり!来店者数は約54万人だったそうです。人気商品は広島県産の野菜と肉。野菜はスーパーでは見かけない珍しいものも並ぶということです。肉は店内カットや量り売りの魅力などが支持される理由の一つとなっています。
子どもたちから「賞味期限、消費期限内に販売する方法は?」と質問がありました。「野菜は目視で状態を見極めて、鮮度が落ちたものは農家さんに持ち帰ってもらいます」。いつ来店しても新鮮なものが買える工夫を学びました。その他にお客さんに対するサービスや決済方法、スタッフの給料、忙しい時間帯、情報発信の種類など質問がいっぱい。そのたびに丁寧な回答で、子どもたちは納得しながらさらに興味を示していました。

子どもたちに人気!広島ならではの味わい、
ライスバーガーが、お米ファンを取り戻す。

「第5回 販売現場訪問授業」JA直売所『とれたて元気市』でお店調査と販売企画の学習!

次はライスバーガーの話に移りました。お米の消費を増やすために開発された商品です。今、販売しているライスバーガーは、3年前の「ひろしまフラワーフェスティバル」でテスト販売し好評で、翌年に本格的に販売。昨年、こちらのお店だけで約1,300個を売り上げたそうです。購入者は子ども連れのファミリー層が多く、美味しさ以外にレンジでチンして食べられる手軽さも受けているようです。発売当初は試食販売を行い、テレビや新聞などメディアにも取り上げられ、今は売場のPOPやSNSでの発信(食べ方提案)がメイン。ファンも定着してコンスタントに売れている商品ということです。「味には絶対の自信があります。可能であれば全国展開したいです!」と開発者の熱い言葉に、商品の魅力と販売に対する意気込みを感じました。

お店で働くスタッフやお客さんにヒアリング。
一人ひとりの貴重な声を参考に、販売企画を整理。

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お店や商品のことを学んだ上で、販売企画の作業を始めました。①ネーミング、②キャッチフレーズ、③価格、④販売方法、4つの項目についてグループ内でまとめます。さらに、お店のスタッフやお客さんへのインタビューで得られた意見を参考に整理していきます。
作業に入る前に販売価格を考える上での重要なポイントを教わりました。仕入値に、手数料などを加えて販売価格を決めること。利益を出しながら売りやすい価格にすることがとても大切です。

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まとまったグループからお店のバックヤードに向かい、スタッフにヒアリング。単品や子どもたちが考えたセット商品の組み合わせ案を説明し、購入意向を聞きました。価格やキャッチフレーズの他に、オリジナルキャラクターを作って人気投票を行ったグループもありました。「すこし高いと感じる」、「イベントの価格ならいいと思う」など人によって意見はそれぞれ。来店していたお客さんにも同じ質問を投げかけ、販売・購入と立場の違う方から貴重な意見を聞くことができました。子どもたちの創造力や工夫、この活動自体に興味を示す大人が多くうれしかったです。ご協力いただいたみなさん、ありがとうございました。

未完成こそ、無限の可能性!ネーミングやキャッチフレーズ、
販売方法、すべてのアイデアが子どもたちのオリジナル。

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ヒアリングした意見を参考に販売企画を練り直し、プレゼンテーションを行いました。商品名とキャッチフレーズはグループごとによく考えられていて、地産地消を意識してストレートでインパクトのあるものが多く、販売当日の発表が楽しみになりました。レタスやトマトなどライスバーガーにサンドする具材、ドリンクやポテト付きのセット商品のアイデアの発表もありました。販売方法については、丁寧な接客を心がけること、中身がわかる写真やアレンジレシピの展示、チラシの配布、唐澤アナウンサーが美味しそうに食べている動画を流してPRする、宣伝効果抜群の提案もありました。どこまで実現するかわかりませんが、販売体験の日まで授業を重ね、子どもたちの稼ぐチカラがどのように発揮されるのか、乞うご期待です!

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