日時:2026年9月27日(日)10:00~15:30
会場:八天堂ファーム ぶどう園、八天堂ビレッジ

広島県竹原市にある『八天堂ファーム ぶどう園』で収穫体験。昨日に引き続き、林社長にご協力いただきました。
「収穫するのは、シャインマスカットです。ぶどうは袋がけされているので、中身は見えません。いろいろなぶどうを触って比べて、重さがずっしりしているものを選んでください」
収穫前にアドバイスを受け、林社長を先頭に塾生はぶどう園の中を宝探し気分で進んでいきました。


目的の場所に到着すると、林社長が問いかけました。
「収穫するとき、軸のどの辺りを切ったらいいと思う?」
繊細なぶどうの房を傷つけないために、軸を長めに残して上の方を切るのがいいとのこと。
そうすることで持ちやすくなり、その後、包装するときに軸を短く整えるそうです。


塾生はハサミを手にして、どれにしようかと悩んでいます。背伸びをしたり、踏み台に乗ったり、真剣な表情で見比べています。
「これ、めっちゃ重い!」
「ぶどうの葉っぱって、でかいんだ」
「どっちがいい?」
「いえーい、ゲット!」
収穫したぶどうは手提げ袋に入れ、大事に持ち帰りました。


ぶどう園から八天堂ビレッジ『カフェリエ』内の教室に到着。収穫したぶどうの梱包体験です。
林社長から説明を受けながら、手順に沿って作業を進めました。

ぶどうの房を包んでいた袋を破ると、黄緑色をしたツヤのある大粒の実が出現、ぶどうさんと初対面です。片側が透明フィルムの三角形の袋に入れ、軸を短く切り、袋を結びテープで封をしました。さらに、ぶどうが傷つかないように衝撃吸収用のフルーツキャップを被せました。最後にブランドシールを貼って完成しました。




八天堂ファームでは、8月のお盆明けから10月初旬まで1万7,000房ものぶどうの梱包を、一つひとつ手作業で行なっているそうです。売り場に並ぶまでには、このような手間がかかっていることへの気づきがありました。

大野先生からは、昨日から続く現地訪問の学びの意義についての話がありました。
「みなさんは、八天堂ファームさんから仕入れたぶどうジャムを使って商品開発をします。もし、その原料になるぶどうを見たこともない、収穫もしたことない、食べたこともないとどうでしょうか。商品を販売するとき、お客さまに魅力を伝えられますか?」
生産者の工夫や思いを知ることで、10月下旬の販売実習でお客様に商品の魅力を伝える際の説得力が変わることを学びました。




ランチは、みんな大好きなカレー。本日もデザート付きで、八天堂ファームの『果実なくりーむパン〈赤ぶどう〉』でした。濃厚な味が人気でした。

いよいよ、商品開発の時間です。林社長のほか、昨日のVR工場体験でお世話になった秀衡先生も商品開発のサポートに加わっていただきました。
ひとつの案として、八天堂のくりーむパンを使ったフレンチトーストが紹介されました。売値500円と仮定して100個売って3,500円の利益、塾生1人あたりの儲けは100円です。
「えー?」「少なすぎ!」「いやだ!」という声で教室は埋め尽くされました。
1日がんばって働いて収入が100円では物足りません。ちなみに昨年の塾生の販売実習では、全体の売上げは約32万円。1人あたりの収入は約4,300円でした。
たくさん利益を出すために、フレンチトースト用のパンの種類を変更するアイデアが提案されました。
A案は先ほどの八天堂のくりーむパン、B案は食パン、C案はロールパンです。
※A案は1個あたりのコストを抑えるため、くりーむパンは1個まるごとではなく半分にして使用。
それぞれ100個販売した場合の収入シミュレーションを行った結果、A案は塾生1人あたり880円、B案は1,750円、C案は1,800円となりました。販売実習の利益は塾生のお小遣いになるので、どの案を選ぶか悩ましいところです。
さらに大野先生は、販売目標を設定するよう塾生たちに促しました。すると、ある塾生から「2日間で500個売りたい」と希望する声があがりました。

それを聞いた林社長からアドバイスがありました。
「販売目標を500個にするのであれば、商品にしっかりとした魅力がないと売れません。どうすれば魅力を加えられるか、また引き出せるかという視点で商品を企画するといいですね」
販売目標数については、商品の内容が固まった段階であらためて考える必要がありそうです。

次に、3種類の試作品を試食しました。そのときに赤ぶどうとシャインマスカットどちらか好きなジャムを選んでつけて食べました。
〈A案:試食の感想〉八天堂のくりーむパン使用
「くりーむパンの味が強くて、ジャムの味があまり感じられなかった。ジャム自体は濃厚で美味しかった」
「シャインマスカットが上に乗っているので、つけるジャムもシャインマスカットを選ぶと2倍美味しかった」
「ジャムは果肉があって、パンと相性抜群で美味しかった。人気がでて売れそう」


〈B案:試食の感想〉食パン使用
「食パンはいつもよく食べているから、新しさがないのかな…」
〈C案:試食の感想〉ロールパン使用
「食感がいい。A案のカスタードが中に隠れているよりも外に出て見えている方が中身がわかって見た目もいい」


塾生は、味以外の部分もしっかりチェックしていました。
どの案がよかったか、グループ内で意見を整理。B案推しとC案推し、意見が真っ二つに分かれました。



「食パンだと、いつでも食べられるし、新しさがないからロールパンのほうが売れると思う」
この声に対して、反対の意見も飛び出しました。
「食べ慣れている食パンだから安心の味で買ってもらいやすい。特別なジャムもプラスしているから新しさもあると思う」

塾生の議論を見守っていた林社長からアドバイスがありました。
「商品を企画するときは、ただ一番美味しいものを選べばよいわけではありません。作りやすさや調理時間といった味以外の要素も大切です。特に当日は自分たちで調理するため、その点が欠かせません。会場で食べる場面を想像し、お客さまが食べやすいか、どのような状態で食べるのかに配慮することも重要で、そうした点を総合的に考えて決めることが大切です。今、みなさんが議論していた内容は、私たちが実際に商品開発を行うときと同じようなもので、とても素晴らしかったです」
続いて、秀衡先生からも塾生へのアドバイスがありました。
「お客さまにお待たせすることなく、スムーズに商品を提供できるのは、とても大事なことです。お客さまに喜んでいただくために、例えば盛りつけにちょっとした工夫を加えるだけでも商品の魅力が増すと思うので、そのあたりを含めて考えるといいですね」
あるグループが目標を達成するために必要な1時間あたりの販売数を自分たちで計算し、発表しました。
「私たちは、2日間の販売実習で300個を売る設定で計算してみました。1日7時間営業すると、全部で14時間あります。目標を達成するには、1時間に22個以上売らなければダメ。達成できれば、1人あたり4,700円くらいの利益が出ます」
これは大野先生から促されたわけではなく、塾生自らが考えたことです。このような主体的な学びが毎回の授業の中で自然に生まれています。この積み重ねが、塾生同士が高め合う学びの環境づくりにつながっているようです。
発表後には、教室いっぱいにみんなの大きな拍手が広がりました。
販売実習の当日、上手く作れるかどうか調理面での不安な点が指摘されました。B案とC案の2種類を販売するとなると、パンの種類によって、卵液に浸す時間や焼き時間に違いがあり、調理が難しくなる可能性があります。
JAバンク広島の斎藤先生から提案がありました。
「販売実習は2日間あるので、1日目は食パン、2日目はロールパンと販売する商品を分けるといいかもしれませんね。準備や調理、オーダーもとりやすいと思います」
この提案に、みんな大賛成。日によって1種類の商品に専念でき、オペレーションもスムーズになるのでこの方法を採用することになりました。商品の内容が決定してみんな一安心。今後、細部を調整して販売実習でのお披露目となります。

最後に、塾生を代表して、2日間お世話になった林社長と秀衡先生に感謝の言葉を伝え、八天堂ビレッジでの2日間の充実した学びを締めくくりました。